アニメ『攻殻機動隊』の感想です。近未来の警察物語です。今回見たのはテレビ版。放送開始はもう10年くらい前です。現在は映画も上映されています。考察やあらすじや魅力を紹介します。
ゆめぴょん(@yume_pyon)です。こんちはっ!
『攻殻機動隊』は漫画が原作ですが、映画版もテレビ版も全く独立した物語だと思った方がいいです。世界観や登場人物はほとんど同じですが、時間の進み方や性格が少しづつ違っています。
最近のテレビアニメはラノベ原作が増えてるからか、ちょっとゆるめだけどやる時はやる!みたいのが多い気がします。それに比べると『攻殻機動隊』は完全に硬派でシリアス。視聴者の層は全く違うでしょうね。私は両方好きですが。
そういう意味でも『攻殻機動隊』は好き嫌いや賛否が分かれそうです。SF、警察、科学、政治、そしてかわいいロボットが好きな人にはぜひオススメです。以下ネタバレあります。
『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』『2nd GIG』のあらすじ
テレビアニメ版は「STAND ALONE COMPLEX」という題が付いています。略して「S.A.C.」と呼ばれることも。意味は「STAND ALONE」(独立した話)と「COMPLEX」(1つの大事件)が混在しているということらしいです。
今回の感想は『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』とその続編『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』をとおしてのものです。全26話+全26話の1年分。主題歌や予告をカットしても、視聴に15時間はかかります。
1st.シーズンの「STAND ALONE COMPLEX」では「笑い男事件」、2nd.シーズンの「2nd GIG」では「個別の11人」についての事件が物語をとおして最終話まで展開されていきます。
いつも思うけど、TVアニメって放送中に見てる人はすごいなと。1話づつ見てると話を理解しづらいのではないでしょうか。『攻殻機動隊』は話が複雑なので一気見をおすすめします。『まどか☆マギカ』も12話なので勢いで見たいですね。
アニメ『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』の考察と7つの魅力
- リアルな世界観
- 映像も音楽も美しい
- キャラが特徴的
- ストーリーが重厚
- アクションシーンと頭脳戦とのバランスが良い
- 日本の社会問題
- AIロボットのタチコマがかわいく、せつない
リアルな世界観
あと20年以内には実現しそうな世界。届きそうな未来を描いてるのでリアルに感じます。エヴァンゲリオンやヴァルブレイブのような、現実離れしたSFも好きですが、リアルなのも良いですね。
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すぐ実現しそうな技術が出てくるので、Appleやサムスンに負けてばかりの日本メーカー経営者にはぜひ見てほしいです。夏野さんも同じようなこと言ってました。
義体化によって脳以外は交換可能になった世界です。「ゴースト」と呼ばれる心や意識や精神のようなものが人間の証となっているような世界での物語です。
あまりにも起こりそうな事件ばかりなので、自分ならどう対処すべきかとか考えてしまいます。最近はやりのアカウント乗っ取りも何かの予兆ではないかとか。私たちの世界では警察側はもっとネットにうといので後手後手にまわりそう。
映像も音楽も美しい
映像も音楽も気合い入ってます。映画クラスとまでは言わないまでも近いものがあります。見てて違和感がありません。これだけクオリティの高いものを毎週放送してたのは驚きです。
映像だけでなく音楽や効果音も場面にあったものが流れて、物語を自然に盛り上げてくれます。感情の伝わりにくい主人公である素子の心の動きまでも表現してくれてるようで、音楽なしでは全く違った感じ方になってしまいそう。
キャラが特徴的
あらゆるキャラクターが立っています。薄っぺらい人間像ではなく、そのキャラの今までの人生が人格を形成している感じが伝わります。そして視聴者に全くこびない感じも好きです。悲しい過去も乗り越えてるキャラが多いです。
キャラの人生と言えば、物語の中では「S.A.C. 2nd GIG」の11話「草迷宮」が好きです。主張は少ないけどこの話を見終わった後、そして最終話まで見た後にまたじわじわと感動がおとずれます。
9課では、バトー、トグサ、課長、そしてタチコマを筆頭として魅力的なキャラにあふれています。毎回の犯人や、笑い男、合田、クゼ、女性首相なども完全な善悪に分けられない人物ばかりで、その人格形成の背景までも興味深いです。
バトーが主人公の劇場版アニメの感想も書いています。参考にしてください。
ストーリーが重厚
1話完結の話は基本的に犯人を捕まえたり、事件を解決していきます。しかし解決してもすっきりしないことが多くて考えさせられます。そしてそんな話の中にも大事件につながるヒントや伏線があったりします。
息抜き的な話はほとんどないため、見てる時に満足感やワクワク感が得られるし、見終わった後の達成感も半端ないです。ダラダラと見たいときには不向きかもしれません。一言も聞き逃せないので。
それにしても、ここまで大風呂敷を広げた話を上手く収束させたと思います。
アクションシーンと頭脳戦とのバランスが良い
これはもうそのままです。あのアクションシーンはアニメならでは。実写版とか作られないことを望みます。『るろうに剣心』は実写化してもそこそこ楽しめる作品ですが。
しかしラスト数話のアクションをのぞくと、意外と頭脳戦で解決することが多いのが『攻殻機動隊』。もちろん素子の機動力ありきですが。
『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』も『2nd GIG』も最終話にかけての緊迫感とアクションシーンは必見です。「2nd GIG」ではもう無理だろ!という展開に、あいつらがからんできて涙もんです。くわしくは下で語ります。
日本の社会問題
将来の日本で噴出してくるであろうことが予想できる社会問題など、いろいろ考えさせられます。そして政治家たちを皮肉った内容も実際にありそうで恐い。
1st.シーズンのラストでは、一歩間違えば9課メンバーも死んでただろうし、敵には死人も出ています。そこまでして政治家を守る必要があるのか疑問です。
現代社会ではネットに長時間つながることでリアル社会との乖離を問題視されたりするけど、将来はネットでのつながりの方が「リアル」になる可能性もあるなとか考えてしまいます。
そして個人の思想や意識が集まって組織化される問題と同時に、共有された意識が「個」となり、実際の個は消失するという現象も起こりえる話だと思いました。
他にも「戦後の難民問題」「ハブ電脳」「新宿地下の原子力発電」「核兵器」「電脳ウィルス」など近い将来でてきそうなキーワードが盛りだくさんです。
AIロボットのタチコマがかわいく、せつない
これは最終話まで見た人しかわかりません。私も最初はかわいい声で従順なロボットだなという程度の印象でした。しかし物語が進むにつれ、なくてはならない存在になってきます。バトーとのからみがまたいいですね。
9課の人間のプロフェッショナルぶりからは伝わりにくい人間らしさを、タチコマが表現してくれてかわいいです。
1st.シーズンでは何かの陰謀?により途中で退場させられてしまいます。その時、歌を歌います。悲しいけど彼らの答えはまだロボットのものだったので何となく安心しました。私が初めてタチコマを意識したシーンです。
そしてラストにかけての自己犠牲っぷりには涙腺やばいです。そのまま2nd.シーズンを見はじめると、タチコマの出番が少なくてちょっとがっかりします。しかし少しづつですが、自我が形成されていく過程が見られます。
2nd.シーズンの最終話はいろんな意味でタチコマなしには成立しません。全く成立しません。涙腺限界です。「手のひらを太陽に」の歌を聞くたびに思い出して涙が出そうです。
『攻殻機動隊』のテレビ版、はっきり言ってタチコマに全部持ってかれましたね!と私は言いたい。それに比べて、クゼの扱いはかわいそうすぎる。
最新作の劇場版『攻殻機動隊 ARISE』ではタチコマの扱いはどうなってるのでしょうか。また感想記事を書きたいと思います。
『攻殻機動隊』の少し残念な点
残念な点は正直いってあまりないのですが、上で語った魅力の裏返しになる部分がマイナスに思えるかもしれません。
- ストーリーがわかりにくい。重要なことははっきり言ってほしい
- 後半の展開が早すぎて、やや雑に感じる
- タチコマの出番が少ない。もっと必要性を認めたりほめてほしい
まとめ:今日のゆめぴょんの好奇心
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